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2019.12.01
報徳仕法と浄土真宗移民

12月1日(日)に石神生涯学習センターで親子歴史文化たんけん教室「報徳仕法と浄土真宗移民」を実施しました。南相馬市は江戸時代に、相馬氏が治めていた奥州中村藩の一部でした。江戸時代に起きた天明の飢饉、天保の飢饉という2つの大飢饉に苦しんでいた中村藩は、主に(1)北陸地方からの浄土真宗移民の受け入れ、(2)財政規模を6分の1にする文化の厳法、そして(3)二宮尊徳の報徳仕法の導入といった3つの政策によって見事復興を成し遂げました。

今回の親子歴史文化たんけん教室は、これら3つの政策による復興を劇を演じることで学ぶとともに、移民の皆さんが長い間作り続けてきた郷土料理「べんけい」を作って食べることで江戸時代の人々の苦労を理解し、東日本大震災からの復興を考える上でのヒントを得ることを目的としました。

以下に今回のイベントの様子を示します。

(1)主催者挨拶、講師紹介(西チイ子さん)、べんけい作り(材料)

(2)べんけい作り(その1)

(3)べんけい作り(その2)

(4)べんけい作り(その3)

(5)がんもどき

(6)授業開始(相馬家について)

(7)第1章「豊かな相馬地方」

(8)第2章「天明の飢饉」

(9)浄土真宗移民の寺が作られました。

(10)第3章「文化の厳法

(11)第4章「浄土真宗移民」

(12)第5章「天保の飢饉」

(13)第6章「二宮尊徳と富田高慶の出会い」

(14)報徳訓音読、報徳仕法導入編

(15)昼食(べんけい)

(16)仏教について

(17)二宮家・富田家墓地参拝

(18)科学のポーズで集合写真

<まとめ>

 報徳仕法は相馬野馬追と並んで、南相馬市における重要な歴史遺産だとされていますが、私は報徳仕法の教えの具体的な中身を学ぶよりも、なぜ小田原藩の農民が考えた農村の復興策が、遠く離れた中村藩に導入されたのかを理解することの方が大切ではないかとずっと考えていました。そこで、様々な資料を調べていくうちに、江戸時代の中村藩を理解するための、時代劇の台本を作りました。今回、その台本を元に、参加者に短い台詞を言ってもらい、解説するという形で体験学習を実施しました。その結果、参加した皆様は、当時の中村藩の困難な状況を、藩主、家老、家臣、領民が一致団結して乗り切ったことを、十分に理解できたのではないかと感じました。

 また、そうした報徳仕法の導入以前に、主に北陸地方から来てくださった移民の人々が中村藩に持ち込んだ風習の1つとして、郷土料理のべんけいの調理と試食が出来たことも素晴らしい体験でした。移民の人々は、土着の人々との確執が長い間あったとされていますが、二度の飢饉に苦しむ中村藩に導入された報徳仕法は、仏教の基本的な考えである「因果の道理」(ものごとには必ず原因と結果がある)を学んでいた真宗移民の皆さんに受け入れられやすかったのではないかと考えています。

 東日本大震災から9年が経ち、震災の記憶が薄れつつある現在、私たちはそうした過去の先人たちの苦労をよく理解し、これからの未来をどの様に構築していくかを深く考える必要があると思います。そうした際に、今回のテーマとなった報徳仕法と浄土真宗移民は、とてもよい体験型教材となると思います。今後ともどうかよろしくお願い致します。


 南相馬市で主に親子に対して自然科学・農業食育・環境保護・歴史文化等のなど体験教育活動を支援しているNPO法人南相馬サイエンスラボの齋藤です。

YouTubeで当法人の活動紹介を行なっています。是非ご覧ください。

 当法人は地域資源を活かした新しい学校構想を前進させるため、当法人の活動を応援してくださる会員を募集しています。賛助会員(年間3千円)になると、当法人のイベント(4月から3月)の参加費が無料となります。です。


2019.11.17
縄文時代と弥生時代(浦尻貝塚)

11月17日(日)に南相馬市小高区にある浦尻貝塚において、親子歴史文化たんけん教室「縄文時代と弥生時代」を実施しました。お米作りが始まり豊かな生活になっていったと考えられている弥生時代ですが、その前の縄文時代も自然の恵みをうまく利用し、約1万年にわたって、人々は生き続けていました。

今回はそうした縄文時代と弥生時代の違いや、どちらが幸せだったのかを考えるイベントです。当日の様子を以下に示します。

(1)主催者挨拶、講師挨拶(右:平井崇昇氏 ゼロ村牧場パカラッチョ

(2)講師挨拶(左:川田強氏 市文化財課、右:堀江格氏 じょーもぴあ宮畑

(3)縄文服を着てみましょう(三内丸山遺跡からお借りしました)

(4)縄文時代と弥生時代の違い(どちらが幸せだったかな?)

(5)浦尻貝塚で発見された矢じりや石斧を見てみましょう。

(6)浦尻貝塚の概要解説 南相馬市文化財課川田先生の解説です。

(7)火起こし体験(その1)じょーもぴあ宮畑の堀江先生のご指導です。

(8)火起こし体験(その2)

(9)火起こし体験(その3)

(10)縄文人のお昼ご飯(スペアリブ・縄文鍋・古代米入りどんぐりご飯)

(11)お昼ご飯

(12)乗馬体験

(13)浦尻貝塚探検(村の各所を見て回ります)

(14)貝塚から見つかる動物の骨や角など、貴重なものを見せていただきました。

(15)科学のポーズで集合写真

<まとめ>
 様々な時代の、優れた遺跡が残されている南相馬市において、縄文人が長く暮らしていた村の跡である浦尻貝塚は、南相馬市が誇る最も優れた地域資源の1つだと考えられる。その浦尻貝塚で、当法人はこの度、3回目となる縄文体験を実施することが出来ました。

 近年、縄文時代の人々が、少なくとも1万年に渡って、自然豊かな環境で平和に人々が暮らしていたことが見直され、その後に続く弥生時代との相違点が注目されるようになってきたようです。そこで、当法人は今回、縄文時代と弥生時代をテーマに、どちらが幸せだったのかを参加者に考えてもらうことを意識しました。結果としては弥生時代との違いを明確に示す物を準備できなかったために、どこまで理解されたかはわかりませんが、少なくとも、弥生時代に米作りが始まることで、富や身分や分業そして争いなど、現代社会に共通する様々な問題が出現するようになったことだけは、理解されたように思います。

 浦尻貝塚の史跡公園計画は、南相馬市で育つこどもたちが、ふるさとの歴史に触れ、ふるさとへの誇りや愛着を育むために、大変有効なものだと考えております。縄文服の着用、火起こし体験、縄文鍋作り、スペアリブ調理など、将来、史跡公園が完成した際に必要となるであろう、いくつかの体験提供は実施可能であることが実証され、ここに土器作りや、どんぐりなどの自然の恵みを採取して調理して食べるところまで実施するプログラムが加われば、かなり充実したプログラムを作ることが出来るのではないかと感じております。よって、当初の目的であった「将来、史跡公園となった際に必要となるプログラムの実証試験」としての役割は果たせたのではないかと思います。

 ご協力下さいました青森県の三内丸山遺跡の皆さま、じょーもぴあ宮畑の堀江格先生、市文化財課の川田強先生、ゼロ村牧場パカラッチョの皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。


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2019.11.06
お豆腐を作ろう!(すがたを変える大豆)相馬市立八幡小学校

11月6日に相馬市立八幡小学校で、小学3年生を対象にした国語教材「すがたをかえる大豆」を元にした「お豆腐作り」の体験授業を行いました。当日は南相馬市鹿島区にある若松味噌醤油店さんから特別に提供していただいた、お味噌作り用の最高級大豆を用いました。また、最後に牛乳からチーズを作る「カッテージチーズを作ろう!」も行いました。以下に当日の様子を示します。

(1)講師挨拶・一晩水につけた大豆(300グラム)を洗いましょう

(2)大豆をミキサーで細かく砕いて、1.3リットルのお湯を入れた鍋に移します

(3)沸騰するまで加熱します

(4)待っている間ににがり液を準備します。加熱した呉を袋布でこします

(5)袋を持ち上げて、豆乳を絞ります

(6)再び鍋で加熱し、そこににがり液を加えて混ぜます。固まってきたら木桶に入れて布をかぶせて待ちます

(7)出来た豆腐を水にさらして、しばらくしたら試食します

(8)牛乳ってなんだろう?開始

(9)加熱した牛乳にレモンを入れて、ろ過して絞ります

(10)豆腐もチーズも美味しくできました。科学のポーズで集合写真

<まとめ>
 今回、相馬市立八幡小学校から依頼を受けて、三年生を対象にした、お豆腐作りとカッテージチーズ作りの出前授業を実施いたしました。小学三年生の国語教材「すがたをかえる大豆」にあるように、私たちの身の回りには、食品とその食材が全く違う姿になっているものが数多く存在します。特に大豆は、味噌、醤油、豆腐など、日本人の食生活には無くてはならない様々な食品の材料として、長年利用されてきました。また、牛乳は同様に、ヨーグルトやチーズに加工されて、消費者の元に届けられます。こうした姿を変えて消費者に届く食品の多くは、元の食材となる農産物が、どの様に作られているのかを、直接知ることが難しいという問題があり、教育的価値の極めて高い内容だと言えると思います。

 今回、こうした貴重な教育の機会をご提供頂けたことを大変嬉しく思っております。今後も、当法人はこうした出前授業によって、地域の教育活動に貢献して参りたいと考えております。この度は、誠にありがとうございました。


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2019.10.19
身近なものを科学する(佐渡合宿)

10月18日から21日にかけて、佐渡市の虫崎集落を訪問しました。虫崎集落は、少子高齢化が進み、限界集落となっているそうです。この度、佐渡市の地域おこし協力隊、ミテモ株式会社(東京都)からの招きで、当法人の教育による復興活動について話してほしいという依頼を受けて訪問しました。以下にその様子を示します。

(1)新潟港から佐渡島の両津港へカーフェリーで移動

(2)まずは佐渡トキ保護センターを訪問しました

(3)翌日に虫崎集落を訪れて講演会が行われました。主催者(ミテモ株式会社平井優美さん)挨拶、講師紹介

(4)身近なものを科学する(その1)
 当法人は、自然科学・農業食育・環境保護・歴史文化等の体験教育活動を行なっています。

(5)身近なものを科学する(その2)
 佐渡はトキや冬期湛水不耕起栽培などで有名ですね。また、虫崎集落は交流人口拡大を目的とした100人盆踊りや、伝説に由来する鬼の田植えなどが行われています。

(6)身近なものを科学する(その3)
 南相馬市は地震、津波に加えて原子力災害を受けました。ただ、そうした中でも地域には様々な資源があり、そうしたものの重要性を理解する活動を震災後に開始しました。

(7)身近なものを科学する(その4)
 原子力災害を受けたため、農作物への影響が心配されましたが、実際には全量全袋検査の結果、基準値を超えるものは1つも見つかっていません。

(8)身近なものを科学する(その5)
 ですから、私たちは震災後はじめて、親子を対象にした田植え体験を実施しましたし、南相馬市産のお米(天の粒)が販売されています。

(9)身近なものを科学する(その6)
 ただし、放射線についての子ども向けの授業も必要ですので、小学校で遊びを交えて理解する放射線教育に取り組んでいます。

(10)身近なものを科学する(その7)
 そして将来、私たちは地域資源を活かした新しい学校を作りたいと考えており、そのためにはそうした共通の問題を理解する人たちとのつながりを作るため、地方を都会の交流活動が必要だと考えております。

(11)身近なものを科学する(その8)
 講演の内容を受けて、地元の方と食事をしながら地方が抱える問題について話し合いました。1つ気になったのは「高学歴化が過疎の原因だ」という考えでした。確かに結果としてはそうなっているかも知れませんね。

(12)翌朝の虫崎の様子

(13)サイエンスラボ米を炊いて朝ごはん

(14)地域おこし協力隊の方に佐渡市内の名所旧跡を案内してもらいました。

<佐渡を訪問してわかったこと、感じたこと>
 今回、当法人が福島県南相馬市を中心に行なっている教育による復興活動について話して欲しいというご依頼を受けて、佐渡市虫崎集落を訪問致しました。虫崎集落は高齢化と過疎化が進み、集落全体の人口はおよそ50人と、限界集落(持続可能性が乏しいと考えられている集落)とされているところでした。

 福島県南相馬市は今からおよそ9年前に発生した東日本大震災によって、こどもの数が半減し、少子高齢化が急速に進んだとされています。当法人は、震災から3年後の平成26年4月から地域資源の活用を中心とした活動を展開してまいりました。よって、同様に豊かな地域資源に恵まれた虫崎集落の人々に対して、何か社会問題を解決するためのヒントを与えることが出来るのではないか、と考えておりました。しかし、実際に現地を訪問し、人々の生活に触れた結果、そうした考えは間違いだと気付きました。確かに、虫崎集落で暮らす人々の数は少ないですが、そこで人々は毎日、新鮮な海の幸と山の幸や農作物に恵まれた生活をされていて、悲壮感や不安を感じている様子は全く伺えませんでした。おそらく、生活の基本となる仕事があり、食べものの多くを自給できていることは、十分幸せなことなのでしょう。人口が多く密集し、人間関係や通勤の苦労に苛まれ、毎日仕事に追われ、食べるものは全て小売店からの購入に頼るといった、都会での暮らしと比較すると、佐渡の人々は人間が暮らしていく上での豊かさを、日々享受していると言えるのかも知れません。

 ただ、若い世代が極端に少なくなっている虫崎集落は数十年後には人口が極めて少ない状態になると予想されており、将来、行政区が廃止される可能性があります。南相馬市でも津波被害を受け、住民が居住できなくなった地域では、行政区が廃止となった例があります。近い将来、そうした地域は今後も増えていく一方だと考えられ、佐渡で起きていることは、いずれ日本全国で起きてくるのだと思われます。佐渡市で見られる少子化は、震災の被災地である南相馬市とは原因が異なりますが、地方都市で起きている、急速な少子高齢化と過疎化は、日本の未来を考える縮図とも言えるかも知れません。よって、福島県の将来を考える上でも、今この瞬間に佐渡で起きていることをより深く理解する一方で、佐渡の住民の方々が望んでいる将来をどのように構築することが出来るかを真剣に考えることは大変有意義なことだと言えるかも知れません。

 今回、当法人が被災地で行なっている教育による復興活動の発表は、虫崎で暮らしている人々に対して、ものごとの仕組みを理解することの重要性や、地域教育(地域資源の活用)の大切さなどを十分に伝えることが出来たと感じております。福島県の将来をより明るいものとするためのヒントを得るため、今後も情報交換を続けていきたいと考えております。


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2019.10.10
稲刈りをやってみよう!(大甕幼稚園)

10月10日に、南相馬市立大甕幼稚園の年長さんを対象にした、稲刈りをやってみよう!を実施しました。春に田植えした稲の苗が育って、たくさんの稲穂をつけました。上手に稲刈りできたかな?以下に当日の様子を示します。

(1)講師挨拶「今日は稲刈りをやってみます!お米は昔々から日本で作られてきました。」

(2)はさみを使ってチョキチョキ稲刈り

(3)上手に稲刈りできましたね

(4)これが稲穂です。匂いを嗅いでみましょう。脱穀をやってみせます。
 こどもたちは、足踏み脱穀機からたくさんの籾が出てくると「ワー!」と歓声を上げていました。

(5)みんなで籾を拾いましょう。

(6)すり鉢を使って籾すり体験。籾殻はフーッと吹いて飛ばします。

(7)次は精米体験です。

(8)最後は精米機で玄米から白米にしてみましょう。
 こどもたちは黄色い玄米が真っ白な白米になったのをみて驚いていました。

(9)これが白米(左)、そしてこれがぬかです(右)

(10)最後に科学のポーズで集合写真を撮りました。

<まとめ>
 今回当法人は、大甕幼稚園から依頼を受け、春に田植えを行ない、大きく育ったバケツ稲の稲刈り体験を行いました。毎日食べているお米がどうやって育つのか、それらを収穫してから、どのような作業を経てお米になるのかは、とても大切な内容だと思います。本来は小学五年生で実施する内容ですが、参加したこどもたちは、みんな楽しく作業を体験していました。特に、足踏み脱穀機による脱穀で、稲穂に付いている籾が一気に外れる様子や、精米機によって玄米が白米になる様子は驚きが大きかったようです。今回もこうして、地域のこどもたちに、大切なことを伝えることが出来て大変嬉しく思います。ありがとうございました。同様のご依頼をお待ちしております。


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2019.10.06
稲刈りをやってみよう!

10月6日にサイエンスラボの田んぼで稲刈りを行いました。台風19号などの大雨被害があり、「稲刈りをやってみよう!」という親子農業食育教室は中止とし、希望者のみの小規模開催となりました。以下に当日の様子を示します。

(1)稲刈り前日のはせ作りと稲刈り前の田んぼ
 大雨の影響で翌朝作ったはせは倒れてしまい、改めて作り直しました。

(2)稲刈り当日の朝、サイエンスラボの活動を紹介し、いざ田んぼへ

(3)小雨の降る中、頑張って稲刈りを行いました

(4)JAの田部さん、世研話の須摩さんと南相馬にお越しくださいましたみなさん、そして地元の小学生とともに稲刈りを頑張りました。

(5)稲刈り終了です。お疲れ様でした。

(6)首都圏からのお客様は、浪江町の津波被災地を見学して帰りました。

<まとめ>
 昨年10月、東北地方を襲った度重なる台風と大雨の影響を受け、安全を考慮し、地元の参加予定者には中止の連絡をしました。その結果、首都圏の人たちとの稲刈り交流体験を目的とした第29回親子農業食育教室「稲刈りをやってみよう!」は大幅に規模を縮小して実施することになりました。今回のこうした状況は、震災以降、しばらく忘れていた自然の脅威を思い出すことにつながりました。それでも地元の熱心な小学生や、JAふくしま未来の職員に加えて、首都圏から駆けつけて下さった皆様のご協力を得て、何とか稲刈りを済ませることが出来ました。今後、収穫した米を精米し、被災地の風評被害対策のために活用していきたいと考えております。この度は誠にありがとうございます。


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2019.09.28
はちみつってなんだろう?(只見町)

9月28日に福島県只見町の只見振興センターにおいて、親子科学実験教室「はちみつってなんだろう?」を実施しました。はちみつは、とても身近な自然食品ですが、それがどの様に作られているのかは、あまり知られていない様です。そこで今回はミツバチの生態やハチミツが作られる様子などを通して、自然と人間生活の関わりについて学ぶことを目的に、授業を行いました。以下に当日の様子を示します。

(1)主催者ごあいさつ・講師あいさつ

(2)只見町はどこかな?南相馬市はどこかな?

(3)地球誕生〜生命の誕生〜カンブリアの大爆発〜不思議な生き物たち

(4)私達(人間)とミツバチ(昆虫)の進化系統樹での位置付け

(5)スズメバチについて
 みなさんはハチと聞くと、おそらくスズメバチやアシナガバチを思い浮かべるでしょう。恐ろしいと思うかも知れませんが、どちらも多くの昆虫を捕まえてくれているので、農業や畜産を行う人間の生活には欠かすことのできない大切な生き物なのです。

(6)ミツバチはどうやってお花の蜜を集めるのでしょう。
 みなさんは、ミツバチがお花の蜜を集めていることは知っていても、どうやってそのお花の蜜を運ぶのか、巣に帰った時にどうするのかまで知っている人は少ないと思います。ミツバチの体内には、蜜胃(みつい)と呼ばれるお花の蜜を運ぶ専用の胃袋があり、そこに貯めて巣に持ち帰ります。そして巣で待っている別なミツバチに口移しで渡して、また花の蜜を集めに行くのです。

(7)ミツバチの一生
 ミツバチは卵から孵化してから、およそ21日間で成虫になります。しかし、すぐにお花の蜜を集めに行くのではなく、巣作りや子育て、お花の蜜を受け取る係など、巣の中の仕事を一通り経験してから、お花の蜜を集めに行くのです。ミツバチの寿命はおよそ一ヶ月で、お花の蜜を取りに行くのは、最後の1週間ほどなのだそうです。

(8)お花の蜜は糖分10%、ハチミツは80%
 お花の蜜の糖分はおよそ10%なのに対して、ハチミツは80%もあります。これは巣の中にいるミツバチたちが、常に羽をふるわせて風を起こし、体温で温めることで、お花の蜜を乾燥させているからなのです。

(9)10%の砂糖水づくり
 実際に10%の砂糖水を作り、味見をしてみましょう。

(10)風を起こしてハチミツができるかな?
 実際にうちわを使って、10%の砂糖水をあおいでみましたが、1分間ではまったくハチミツにはなりませんでした。ミツバチたちの苦労が少しわかったかも知れませんね。

(11)ハチミツを集める板はどっち?
 ミツバチたちは巣の中で、子育てとハチミツづくりを行なっています。岩手県の巣鴨養蜂園さんでは、この2つをきちんと「隔王板」という体の大きな女王蜂が通ることのできない板を使って分けています。この隔王板は、働き蜂は通ることが出来ます。

(12)隔王板の仕組み
 よって、巣箱を2つ重ね、その間に隔王板を入れると、1階は子育て、2階はハチミツ作り、それぞれ専用になります。写真左の様にきれいに分かれていることがわかります。

(13)ハチミツ作り以外のミツバチの役割
 オオスズメバチにも大事な役割があったのと同様に、ミツバチにもハチミツ作り以外に大事な役割があります。それが「受粉」です。イチコやリンゴなど、様々な果樹や野菜などの受粉は、ミツバチがいなくなったら難しくなります。人間にとっても、大切な役割ですね。

(14)美味しいハチミツを食べ比べてみよう
 只見町の栃木のハチミツ、島根県の百花蜜、岩手県の桜のハチミツ、以上3種類の食べ比べをしました。それぞれ全く違う味や香りがしました。

(15)NPO法人南相馬サイエンスラボの活動紹介

(16)科学のポーズで集合写真

<まとめ>
 昨年度に引き続いて、今年度もただみコミュニティクラブさんに招かれて、只見町の親子を対象に親子科学実験教室を実施できました。今回は日本ハニーオブザイヤーで受賞された空水土(くーみーど)さんのご協力を得て、「はちみつってなんだろう?」をテーマに人間生活と昆虫の関わりを学ぶ内容でした。子どもたちも保護者の皆さんも、蜜蜂の生態や蜂蜜の試食を楽しんでいました。また、最後に南相馬市を中心に行なっている当法人の教育による復興活動の様子についてもお話し致しました。震災の被災地の状況を多くの人たちに届けることが出来たことは大変有意義だと感じました。また来年度も親子科学実験教室を開催したいと感じました。この度は誠にありがとうございました。


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2019.09.01
第4回東ヶ丘公園で遊ぼう!

9月1日に、県営東ヶ丘公園正面エントランスにおいて、第4回東ヶ丘公園で遊ぼう!を実施しました。この公園は、東日本大震災を経て、多くの防災機能が追加された形で供用が開始されたものです。今回は建設に携わった、福島県相双建設事務所の職員の皆さんに、この公園の防災機能について、ご紹介いただきました。

また、宮城県仙台市のゼロ村牧場パカラッチョのみなさんに、親子ふれあい乗馬体験を提供していただきました。首都圏からのお客様(南相馬ツアー)と地元の親子と一緒に、東ヶ丘公園の素晴らしさを体験しました。以下に当日の様子を示します。

(1)主催者あいさつ

(2)相双建設事務所職員による、東ヶ丘公園の概要説明

(3)災害用トイレの説明

(4)災害用水道設備の説明(緊急時にも水が出るそうです)

(5)災害用屋外炊事設備の説明(災害時に薪を使った調理が可能です)

(6)非常用かまどでの火起こし体験(ダンボール、割り箸、細い薪、太い薪の順でくべました)

(7)豚汁の提供(今回はあらかじめ加熱調理したものを運び入れましたが、災害時にはこの場所で調理することになります)

(8)ゼロ村牧場パカラッチョご挨拶

(9)ポニー乗馬体験

(10)小さい子も大きい大人も乗馬体験

(11)生態系ゲーム(食物連鎖を理解)

(12)科学のポーズで集合写真

<まとめ>
 東日本大震災を体験した南相馬市は、その経験をいつかまたやって来るかもしれない災害のために活用する必要があると思います。また、そこで学んだことを他の地域の防災にも役立てるべきでしょう。今回、防災機能を追加した形でようやく供用が開始された県営東ヶ丘公園において実施したイベントは、そうした意味で今後も周知を広げるために、避難訓練なども含めて続けていくべきかもしれません。原ノ町駅から徒歩10分で到着する地の利を活かして、公園の活用を今後も考えていきたいと思います。ありがとうございました。


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2019.08.31
羽根田カンポス彗星ってなんだろう?

8月31日に、南相馬市出身のアマチュア天文家「羽根田利夫」さんの偉業(羽根田カンポス彗星を発見)を振り返ることを目的に、来賓として羽根田家のみなさん、講師として、星の村天文台の大野裕明先生、夢のほしぞら配達の橋本靖之先生をお招きし、親子歴史文化たんけん教室「羽根田カンポス彗星ってなんだろう?」を南相馬市博物館で実施しました。

当日の様子を以下に示します。

(1)南相馬ツアーの皆さんと一緒に昼食(於:馬場公会堂)

(2)羽根田カンポス彗星発見の地見学(解説は大野裕明先生)

(3)講演会開始(主催者挨拶、来賓挨拶:羽根田ヨシさん)

(4)「羽根田カンポス彗星ってなんだろう?」羽根田カンポス彗星に注目した理由説明

(5)「羽根田カンポス彗星ってなんだろう?」羽根田利夫さんの偉業紹介

(6)羽根田カンポス彗星と福島の星空(大野裕明先生)
彗星についてわかりやすく教わりました。

(7)羽根田カンポス彗星と福島の星空(大野裕明先生)
 羽根田利夫さんが彗星を発見されたことを聞き、すぐに駆けつけて下さったそうです。
羽根田利夫さんのことをたくさんお話しくださいました。
詳しくは動画でご覧ください。

(8)移動式プラネタリウム(橋本靖之先生)
 昔の写真などを交えて楽しくわかりやすく紹介するプラネタリウム番組でした。

(9)おまけ:本物の隕石をご紹介くださいました。(大野裕明先生)

羽根田利夫さんについて
 羽根田利夫さんは、南相馬市(旧原町市)出身のアマチュア天文家として、新しい彗星「羽根田カンポス彗星」を発見された方です。幼い頃から大変優秀な方で、何事にも熱心で、やさしく、家族思いの素晴らしい方だったそうです。昭和53年9月1日の夜に、愛犬コロの働きもあり、幸運にも新しい彗星を発見されました。私たちはそうした世界的にも素晴らしいご活躍をされた羽根田利夫さんを、この町の偉人の一人として、多くの方に知ってもらいたいと考えています。


羽根田カンポス彗星ってなんだろう?

羽根田利夫さんの偉業をマンガでわかりやすく紹介した「新彗星発見者 羽根田利夫物語」をご希望方は、送料をご負担いただければ、無償てお譲りいたします。
連絡先:sciencelabo2011@gmail.com(NPO法人南相馬サイエンスラボ 齋藤)


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2019.08.17
親子科学実験教室「宇宙ってなんだろう?」(相馬市こども科学フェスティバル)

8月17日に相馬市民会館で開催された相馬市こども科学フェスティバルにおいて、親子科学実験教室「宇宙ってなんだろう?」を実施しました。こども達は学校で太陽、地球、月、星などの動きをバラバラに学びます。頭の中に宇宙をイメージできればいいのですが、なかなか難しい場合も多くあります。そこで、私たちは小学校で学ぶ天体の授業の基礎となる部分を体験から学ぶ授業を実施しました。当日の様子を以下に示します。

(1)講師あいさつ、趣旨説明。

(2)小学校で天体の学習をする理由は、過去の先人たちが長い間苦労して天体観測を続けた結果、カレンダーが作られたことを理解するためなのです。

(3)第1問、一日って何でしょう?

(4)昼と夜は、地球だけではなく、月や他の天体にもあるのです。

(5)第2問、1ヶ月って何でしょう?

(6)地球から月を観察してみましょう。

(7)680光年先にあるオリオン座のベテルギウスまで宇宙旅行をしてみましょう

(8)当法人の活動紹介

<まとめ>
 今回初めて相馬市での科学フェスティバルに出展できたことを大変嬉しく思います。私たちはいつも夜空に輝く月や星を見上げて感動を覚えていますが、それらの動きについては学校で習っている内容と結びつけて考えることが出来ていないことが多い様です。今回私たちは学校で学んでいる天体の授業を1日・1ヶ月・1年とは何かを身近なもの(昼と夜、月の満ち欠け、季節の変化)を題材に体験を通して学ぶ授業を行いました。天体の授業は理科の先生が最も苦手とする内容だそうです。ですから、こうした授業を学校現場にも取り入れてほしいと思います。


 南相馬市で主に親子に対して自然科学・農業食育・環境保護・歴史文化等のなど体験教育活動を支援しているNPO法人南相馬サイエンスラボの齋藤です。

 当法人は地域資源を活かした新しい学校構想を前進させるため、当法人の活動を応援してくださる会員を募集しています。入会案内はこちらです。


2019.08.03
牛乳ってなんだろう?〜カッテージチーズを作ろう!〜(キラキラ橘商店会)

8月3日に、東京都墨田区のキラキラ橘商店街で、親子科学実験教室「牛乳ってなんだろう?〜カッテージチーズを作ろう!〜」を実施しました。牛乳は最も身近な自然食品の1つですが、改めて牛乳とは何かを考えることで、私たち人間が自然から多くの恵みをいただいていることを理解できる内容です。当日の様子を以下に示します。

(1)講師あいさつ

(2)第1問、東京都と福島県はどこでしょう?福島県がどこにあるかは大人には難しかったようです。逆に社会科を習っている子どもには簡単だったようです。

(3)第2問、南相馬市はどこでしょう?これも難しかったようですが、震災のニュースなどである程度知られているようでした。

(4)さて、牛乳ってなんでしょう?「牛の乳です!」では、どんな牛が牛乳を出すのですか?メス!と答える人が多かったです。メスならば全て牛乳を出すのかな??(牛乳は赤ちゃんを産んだお母さん牛さんのおっぱいですね。)

(5)牛乳は赤ちゃんを産んだお母さん牛さんのおっぱいです。では、赤ちゃん牛さんはなぜ牛乳を飲むのですか?(正解はまだ草を食べることが出来ないから)

(6)今日はカッテージチーズを作ります。温めた牛乳にレモンを加えて固まったものをろ過して絞れば出来上がりですが、そのしくみはこのようになっているのです。

(7)まずはチーズづくりの道具を準備しましょう。

(8)牛乳を温めています。

(9)温まった牛乳にレモンを加えます。

(10)そして、クンクン匂いを嗅ぎながらスプーンでまぜると、チーズの匂いがしてきます。

(11)それをろ紙でろ過しましょう。下からポタポタ出てこなくなったらろ紙の両端を持って、

(12)ぎゅっと絞って水分を除きます。

(13)出来たチーズをお皿に出してみましょう。

(14)自分で作ったチーズを味見してみましょう。

(15)お塩を加えたり、お砂糖を加えたり(チーズケーキ)して味見してみましょう。

(16)最後はリッツに乗せて食べてみましょう。

(17)さて、みなさんはアルプスの少女ハイジというアニメーションで、ハイジがチーズを作っていたのを覚えていますか?カッテージチーズのカッテージとは小屋を意味するコテージが語源です。農作業を終えて、小屋で今日集めた牛乳(ヤギの乳でも)からチーズを作って食べたのがカッテージチーズなのです。

(18)さて、NPO法人南相馬サイエンスラボは全国の地方都市共通の問題を解決するために地域教育を行なっている団体です。

(19)震災と原発事故はありましたが、自然体験はとても重要です。

(20)ですから、乗馬体験や地元の小学校での出前授業などを行なっています。

(21)そして将来、地域資源を活かした新しい学校を作りたいと考えており、都会との交流を大事にしています。日本の教育課題の解決にも取り組んでいます。

(21)科学のポーズで集合写真

<まとめ>
 この度、すみだ笑人ソサイエティー/向島橘銀座商店街協同組合様のお招きを受けて、親子科学実験教室「牛乳ってなんだろう?」を地元の親子やボランティアの大学生などを対象に実施することが出来ました。福島県南相馬市は今から8年前の東日本大震災によって大きな被害を受けました。当法人は震災後3年目の平成26年4月に科学教育による復興を目指して設立されました。設立後最初に取り組んだ内容が「カッテージチーズを作ろう!」でした。もっとも身近な自然食品でる牛乳とは何かをよく理解し、畜産と人間生活の関係を、チーズづくりを通して考えることを目的とした本授業プログラムは、楽しくて美味しい体験だけではなく、ものごとの本質をより深く考えることの重要性を参加者に提供するものです。今回の参加者アンケートからも被災地の復興や、ものごとの仕組みを理解することの重要性が十分伝わったことが分かりました。貴重な経験を与えてくださいましたすみだ笑人ソサイエティー/向島橘銀座商店街協同組合の皆様、本当にありがとうございました。


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2019.07.21
お米ってなんだろう?(コトニアガーデン)

7月21日(日)に川崎市幸区にあるコトニアガーデン新川崎において、被災地の風評被害払拭を目的とした「お米ってなんだろう?」を開催いたしました。お米の歴史を学んでから、サイエンスラボの田んぼで育てたお米を使っておにぎりを作ります。以下に当日の様子を示します。

(1)主催者あいさつ、神奈川県と福島県はどこでしょう?

(2)お米作りは2月頃に始まり、3月頃に芽が出てきます。

(3)5月頃田植えをして、ぐんぐん成長し、8月には花が咲きます。

(4)10月には稲刈りをします。匂いをかいでみましょう。稲の匂いがしますよ。

(5)日本には氷河期の頃に人がやってきたと考えられています。弥生時代になってお米が作られる様になると、身分や貧富という格差が生まれて、人々は争いを始める様になったと考えられています。

(6)さて、お米は1粒から何粒に増えるでしょうか?籾摺りや精米を体験しましょう。

(7)手作業での精米は難しいので、精米機を使って精米してみましょう。

(8)福島県の美味しいものを使って、おにぎりを作りましょう。

(9)NPO法人南相馬サイエンスラボの活動紹介後に、科学のポーズで集合写真を撮りました。

(11)まとめ
 今回、サイエンスラボ米を持ち込んで、籾摺りや精米体験、おにぎりづくり体験に加えて、震災被災地の状況の話なども含めた「おこめってなんだろう?」を実施し、参加された皆様に農作物がきちんと測定されていることなどへの理解を届けられたと感じました。震災から8年が経過した今も続く、知る機会が不足していることによる風評被害の払拭にはこうした体験授業が欠かせないと改めて感じました。ご参加くださいました皆様、ご協力くださいました皆様、本当にありがとうございました。


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2019.06.30
第4回地域教育を考える勉強会

6月30日(日)にかしま交流センターにおいて、第4回地域教育を考える勉強会を開催いたしました。講師には岩手県陸前高田市の江戸時代から続く老舗醤油店、八木澤商店社長の河野通洋さん、東京都で教育事業を展開しているミテモ株式会社社長の澤田哲也さんでした。河野先生からは、岩手県陸前高田市の震災被害とそこから中小企業の経営者とともに懸命に向けて進めてきた復興についてのお話を伺いました。また、澤田先生からは、ミテモ株式会社が取り組む、地域と教育の関わりについてのお話を伺いました。

最後にNPO法人南相馬サイエンスラボの齋藤から、現代社会の問題点と、それを解決すべく行なっている地域資源を活かした教育活動について、鹿島区の地域資源紹介とともにお話ししました。以下にその様子を示します。

(1)首都圏からの南相馬ツアー参加者到着、サイエンスラボの田んぼ見学

(2)津波被災地(海開き準備中の北泉海岸)見学

(3)地元の方の復興への考え方を学ぶ交流会

(4)地域教育を考える勉強会 大和田教育長ご挨拶、細田廣議員ご挨拶

(5)河野通洋氏ご講演「地域と共に育つ醗酵産業」

(6)澤田哲也氏ご講演

「地域教育にデザインの力を組み合わせることで生まれる可能性とは?」

(7)齋藤実発表「江戸時代と現代の復興における地域教育の重要性」

(8)齋藤実発表「鹿島区の地域資源」

(9)参加者からの質問

(10)科学のポーズで集合写真

(11)まとめ
  第4回となる地域教育を考える勉強会は、河野通洋さん、澤田哲也さんからの素晴らしいご講演に加えて、齋藤からのNPO法人南相馬サイエンスラボの活動を行なっている目的や、鹿島区の地域資源の紹介などによって、地域教育の必要性がこれまで以上に明らかになったと感じました。

 南相馬市は震災によって大きな被害を受けましたが、それによって地域教育の重要性に気づかされる機会を得ました。震災前そのままの形に戻ることは難しくとも、地域に暮らす人々が自分たちのふるさとの魅力を、体験を通して理解し続けていくことが新しい未来を気づいていくことに繋がっていくのだと思います。ご協力くださいました鹿島商工会、かしま観光協会、鹿島区役所地域振興課の皆様、この度は誠にありがとうございました。


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2019.06.23
親子科学実験教室「お米ってなんだろう?」

6月23日(日)に新川崎タウンカフェにおいて、親子科学実験教室「お米ってなんだろう?」を実施しました。この「お米ってなんだろう?」は、当法人が昨年サイエンスラボの田んぼで育てたお米を使い、籾摺りや精米、おにぎり作りなどを通して福島県の風評被害払拭を目指すものです。以下に活動の様子を示します。

(1)主催者あいさつ

(2)神奈川県はどこでしょう?福島県はどこでしょう?

(3)お米作りの1年間を振り返ります

(4)3月に芽出し、5月には田植えが行われます

(5)7月は大きく成長し、10月に稲刈りです

(6)人類の進化と日本人(氷河期に大陸から)

(7)縄文時代と弥生時代

(8)お米は1粒から何粒に増えるでしょう?

(9)籾摺り体験

(10)精米体験

(11)機械による精米

(12)おにぎり作り(その1)

(13)おにぎり作り(その2)

(14)南相馬市のお米作り。平成27年度から再開されたお米作り。基準値を超えるものは1つも見つかっていません。ただ、水稲作面積は震災前の約半分、農戸数は6分の1程度に減少しています。サイエンスラボ米も安全が確認されています。

(15)科学のポーズで集合写真


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2019.06.09
第5回親子歴史文化たんけん教室「相馬野馬追ってなんだろう?」

6月9日に南相馬市博物館で第5回親子歴史文化たんけん教室「相馬野馬追ってなんだろう?」を実施しました。講師は南相馬市博物館学芸員の二上文彦さんです。当日の様子を以下に示します。

(1)主催者あいさつ「みなさん、たんけんブック持ってますか?」

(2)授業開始「御神旗について」

(3)昔の野馬追と明治時代の野馬追

(4)江戸が終わって野馬追が出来なくなった代わりに明治時代から神旗争奪戦開催

(5)野馬懸は昔も今も変わらず行われている

(6)ポニーに会いに行こう!

(7)自然と人間と馬の関係

(8)乗馬の順番決め、1番は二上学芸員!

(9)野馬原の周囲を囲んでいた野馬土手の解説

(10)雲雀ヶ原祭場地の解説(ずっと昔は川だった)

(11)相双建設事務所職員による東ヶ丘公園の解説

(12)お昼ご飯が届きました。豚汁とおにぎり

(13)博物館でみんなで食事

(14)午後はたっぷり乗馬体験

(15)最後は科学のポーズで集合写真


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2019.05.12
第28回親子農業食育教室「田植えをやってみよう!!」

5月12日にサイエンスラボの田んぼで第28回親子農業食育教室「田植えをやってみよう!!」を実施しました。サイエンスラボの田んぼは無農薬無肥料(自然栽培)でお米を作っています。当日の様子を以下に示します。

(1)サイエンスラボの田んぼ看板除幕式

(2)震災前後の南相馬市のお米づくり
震災前はおよそ5千ヘクタールの田んぼで3千軒の農家さんがお米づくりを行なっていました。しかし、震災によって、水田の面積はおよそ半分、農家さんに至っては6分の1ほどの軒数に減ってしまいました。ただし、震災後の全良全袋検査の結果では、一つも食品の安全基準値を超えるお米は見つかっていません。

(3)籾、玄米、白米の解説
 JAふくしま未来の田部先生から、籾、玄米、白米の違いについて教わりました。

(4)田植え指導
 JAふくしま未来の田部先生から、田植えのやり方を教わりました。

(5)こどもたちによる田植え開始
 田んぼに入ってすぐに動けなくて泣いてしまう子もいました。

(6)どんどん田植え
 慣れてきたようです。

(7)大人もお手伝い

(8)田植えの後は野外調理
 サイエンスラボ米を炊いて、地元の食材を使った味噌汁を作りました。

(9)ご飯も炊けました。味噌汁も完成です。

(10)お昼ご飯(その1)

(11)お昼ご飯(その2)と感想発表

(12)科学のポーズで集合写真


田植えをやってみよう!!動画


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2019.05.09
田植えをやってみよう!!(大甕幼稚園年長さん対象)

5月9日に南相馬市立大甕幼稚園の年長さん(25人)を対象とした出前授業田植えをやってみよう!!を実施しました。用いたバケツは以前、南相馬サイエンスラボでバケツ稲を行なっていたものです。以下に当日の授業の様子を示します。

(1)バケツに土を入れましょう(黒土と鹿沼土を混ぜて入れます)

(2)おこめができるまで(その1)
みなさんが毎日食べているお米の1粒1粒は実は種です。今日はそのお米がどうやって育つかまずは勉強しましょう。

(3)おこめができるまで(その2)
赤ちゃんである種もみに水を加えて暖かいところに置いておくと、芽が出てきます。おっぱいを飲んでいる赤ちゃんのようなものですね。

(4)おこめができるまで(その3)
緑の葉っぱが伸びて、やがてみなさんのような幼稚園生に育ちます。

(5)土を混ぜましょう(代掻き)
上手にできましたか?

(6)いよいよ田植えです。
3本ずつ上手に田植え出来ましたね。

私たちは普段、お米を毎日何気なく食べていますが、お米づくりには大変な苦労があります。本来は小学5年生で行う内容ですが、幼稚園生の時からそうしたお米づくりの仕組みを理解しておくことはとても良いことだと思います。稲刈りや脱穀は9月から10月頃行う予定です。楽しみですね。


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2019.02.13
放射線ってなんだろう?(原町第二小学校出前授業)

2月13日に南相馬市立原町第二小学校の3−4年生(56人)を対象とした放射線教育の出前授業「放射線ってなんだろう?」を実施しました。今から8年前の平成23年3月11日に起きた東日本大震災とそれに伴った発生した福島第1原子力発電所の事故によって、福島県の浜通り地方は広く原子力災害を受けてしまいました。

今回の「放射線ってなんだろう?」は放射線・放射能・放射性物質といったよく似た言葉の本来の意味を体を使った遊びなどを通して正しく理解し、外部被曝や内部被曝からどうやって身を守るかについて、わかりやすく学ぶものです。

なお、今回の授業の重要な部分は特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所の理事長でいらっしゃる上昌広先生から教わったものです。そこに当法人の活動から得られた知見や工夫などを加味してこどもにも大人にも分かりやすい内容となっております。

以下に当日の様子を示します。なお、こうした出前授業をご希望の方は、こちらからお問い合わせ下さい。

さて、以下に当日の授業の様子を示します。

(1)放射線教育を行う理由について
 なぜ今日、はかせはみなさんに放射線教育をすることになったかわかりますか?何か理由があるはずです。わかる人はいませんか?

(2)東日本大震災と原発事故
 「はい!原発事故があったからです。」そうですね。今から8年前に東日本大震災と原発事故があったからですね。

(3)放射線・放射性物質・放射能ってなんだろう?
 今から8年前に東日本大震災と原発事故があったからですね。今日はまず放射線、放射能、放射性物質という3つの似た言葉の意味から説明します。

(4)放射線、放射性物質、放射能の違い
 まず、みなさんは放射線ってわかりますか?そう、目み見えない光のようなものですね。その放射線を出す物質のことを放射性物質というのです。ですから放射線を出す放射性物質に対して、放射線を出さないふつうの物質もあるわけです。もしみなさんが着ている服が放射性物質で出来ていたとしたらどうでしょうか?そう、そこから放射線が出るので、みなさんは放射線を浴びてしまうわけです。でも、そんなことはありませんので、安心してください。

では、放射線と放射性物質についてはわかったと思います。次に一番むずかしくて、偉い先生も間違って使ってしまうことがある「放射能」とはなんでしょうか。ところでみなさんの中で算数が得意な人はいませんか?「はい!」お、君は算数の能力があるね。ピアノが弾ける人は?「はい!」お、いたね、あなたはピアノを弾く能力があります。足が速い人は?「はいはい!」お、君は速く走る能力があるね。では給食が好きな人は?(全員)「はい!!!」わかりました。みなさんは給食を食べる能力があります。

実は放射能という言葉の「能」とは「能力」のことです。さて、何の能力でしょうか?「はい!放射線を出す能力!」その通り!!そうなんだ。放射能というのは放射線を出す能力のことで、その能力を持っている物質のことを放射性物質というのです。

ではここで、さらにその3つの言葉を理解しやすいように放射性物質をプロ野球のピッチャーに例えてみましょう。(はかせが楽天の帽子をかぶる)はかせはプロ野球の選手のようにはボールを投げることは出来ません。でも、もしもはかせがプロ野球の選手だとしたら、はかせはすごいボールを投げる能力があるはずです。

はかせの能力は放射性物質に例えると、放射能つまり放射線を出す能力ということになるのです。ですから、放射性物質がピッチャー、放射線が野球のボール、放射能がボールを投げる能力、放射線の種類がストレートやカーブやフォークなどのボールの種類、そして半減期というのはピッチャーがたくさんボールを投げて半分疲れてくることなのです。分かりましたか?

(5)放射性物質(ピッチャー)になって、放射線(ボール)を投げてみよう!
「先生に向かってボールを投げましょう!!それー!」

(6)初めて放射性物質になってみてどうでしたか?

「疲れたけど面白かったです。放射性物質のことがよくわかりました。」

(7)ラジオや携帯電話の電波も赤外線も放射線も同じ電磁波の仲間

 みなさんお疲れ様でした。その辺に放射線(ボール)は転がっていませんか?さて、放射線、放射性物質、放射能についてわかったと思います。ここで改めて放射線とはどんな性質を持っているのかを考えてみましょう。まず、これはなんだかわかりますか?「ラジオ!」そうですね。スイッチを入れると、このように音楽や声が聞こえてきます。なぜこうして音が聞こえるかわかりますか?「電波が・・・」そうですね。このラジオという機械は、目み見えない電波を音に変換する素晴らしい大発明品なのです。

(8)携帯電話や赤外線リモコンについて

これはなんでしょう?「携帯?スマホ!」そうですね。これは携帯電話といいます。ではちょっとこれを使って実験をします・・・・・・。「はい!原町第二小学校事務室です。」「お世話になっております。ただいま多目的教室で3−4年生の授業を行っています。失礼いたしました。」 どうですか?不思議ではありませんか?この機械は目に見えない電波を使って、遠くにいる人とお話ができる素晴らしい大発明品なのです。

今日は持ってきませんでしたが、ここに示してある電子レンジは肉まんを温めたりすることもできる、これもすごい発明品です。赤外線のリモコンも、こうすると操作ができます。みなさんもお家でテレビのリモコンを使ったことがあると思います。不思議ですね。

そして次に太陽の光、これは人の目で見ることが出来ます。虹を見てわかるように、太陽からの光には様々な色の光が混ざっていることがわかりますね。

そして最後に放射線です。実はここで示した全てのものは太陽の光を除いて、全て目に見えませんが、全部同じ<電磁波>というものの仲間なのです。ですから、放射線のことを勉強しようと思ったら、本物の放射性物質や本物の放射線などを使わなくとも、目に見える懐中電灯の光を使えば良いのです。

(9)懐中電灯を使ってみましょう。たくさんの光が集まると?

やってみたい人!「はい!はい!はい!」では、みなさんで懐中電灯を使って先生が持つお盆めがけて光を当ててみましょう。1個より、2個、3個、、、10個と増やしていくと明るくなりますね。これは一箇所にたくさんのエネルギーが集まっているからなのです。

(10)離れていくと明るさはどうなるでしょうか。

 こうして先生から離れていくと、、、だんだんと暗くなっていきますね。放射性物質からもこうして距離をとって離れることで、放射線からの影響を少なくすることができるのです。

(11)内部被曝から身を守るための除染について

 さて、ここまでのお話は主に、まわりからの放射線から身を守るため、つまり外部被曝からどうやって身を守るかの内容でした。ここからは食べ物から放射性物質を取り込まないようにする内部被曝をどうやって防ぐかのお話です。

この図にあるように、震災直後に目に見えない細かい放射性物質が飛んできて、地面の上に薄く雪のように積もったと考えられています。その後、雨が降ったりして、地面に少ししみ込んで、表面にとどまっていると考えられています。

このままでは人の体への影響が心配されていましたし、ここで農作物を作ると、作物に放射性物質が取り込まれ、それを食べると健康に良くない影響があるのではないかと人々は不安に思っていました。

そこで、当時はまだこうした大規模な原発事故は日本では初めてでしたので、どうすれば良いかわからない場合が多かったようですが、先ほど説明したように、地面の表面にある放射性物質を土ごと取り除けば良いのではないかと考えられるようになりました。

ただし、畑や田んぼといった農地はとても広いものですから、それを全てこの図にあるやり方で対応するのはとても難しことがわかり、土を混ぜたり、上下を入れ替えたり、放射性セシウムを植物に取り込ませないようにするものをまいたり、色々なことが試されたようです。でも本来はこの方法が最も確実なはずです。

(12)除染の実験結果

 そこではかせは、南相馬サイエンスラボの花壇を使ってこの写真にあるように表面の5センチ、10センチ、15センチと5センチずつすこしずつ土を集めて、それぞれを測定する実験をしてみました。すると、右の図のように、表面5センチの土に9割近くの放射性物質が集まっていることがわかりました。先ほどの予想通りでした。

(13)除染した畑に野菜の苗を植えて収穫して

 その後、他の部分も全部表面5センチの土を取り除いて、春に夏野菜の苗を植えました。そして夏になって収穫して、、。

(14)収穫した野菜を測定して、カレーにして食べました。

 その野菜を全て測定して、カレーライスを作って食べました。当時はまだまだ放射線や放射性物質や放射能についての人々の理解が少なく、不安を抱えている人が多くいましたが、こうしたきちんとした学習の機会があれば、放射性物質に対する不安も無くなるのではないかとはかせは思っています。

 今回、東日本大震災と原発事故によって、多くの人々の生活に大きな影響がありました。確かに福島第一原発の廃炉作業はまだまだ時間がかかりますし、全国にはとてもたくさんの原発があります。また、世界にもたくさんの原発が作られ続けています。いつまた同じような事故が起こる可能性もあるのです。ですから、みなさんは今回一緒に学んだことを忘れないようにしてください。

 放射線に関する正しい理解があれば、もしまたそうした事故があったときでも冷静に対応することができるはずですよね。今日はありがとうございました。

(15)科学のポーズで集合写真

 最後に日本語の手話で「科学」を意味する科学のポーズで写真を撮りますよ!はいチーズ!


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2019.02.03
はちみつってなんだろう?(ごえん楽市:川崎市)

2月2日に川崎市中原区のかわさき市民活動センターにおいて、ごえん楽市が開催され、当法人は巣鴨養蜂園さんと一緒に「はちみつってなんだろう?」を実施しました。

はちみつってなんだろう?は隔王板という仕切りを使うことで蜂の死骸や糞などが混じることのない、とても衛生的で美味しいはちみつを作っている巣鴨養蜂園さんと一緒に平成29年度に福島県のふるさと・きずな維持・再生支援事業を活用して作った体験授業です。

隔王板によって女王蜂が2階に行けいないようにして、1階を子育て専用、2階をはちみつ専用にするしくみ(下図)

当日の授業の様子を以下に示します。


講師紹介・はちみつを食べたことある人?


動物系統学・人間と蜂(昆虫)の関係


蜂と聞くと「スズメバチ」を想像する人が多いようです。


ミツバチは主に山に生えている木の花から蜜を集めます。


ミツバチは蜜胃と呼ばれる袋に花の蜜を貯めて巣に持ち帰り、巣で待っている蜂に口移しで渡すのです。


働き蜂は成虫になってから約3週間は巣の中の仕事をします。そして最後の1週間に外に出て行くのです。


花の蜜の糖分はおよそ10%、ところがはちみつは80%もあります。どうやってはちみつにするのでしょうか?


そこでまず10%の砂糖水を作って味見してもらいました。


巣の中の働き蜂はいつも羽を震わせて花の蜜を乾燥させています。そこで試しにうちわで1分間扇いでみましたが蜂蜜にはなりませんでした。


巣鴨養蜂園さんは隔王板を使って素晴らしいはちみつを作っています。


このように、隔王板は働き蜂は通過できても、体の大きな女王蜂は通れないのです。


巣鴨養蜂園さんのはちみつを味見してみましょう。


NPO法人南相馬サイエンスラボが行なっている教育による復興活動を紹介しました。


最後に「科学のポーズ」で集合写真を撮りました。

 私たちはこうした体を動かして遊びや体験を通して人間と自然との関わりを学ぶ出前授業を行なっています。是非、ご興味のある方はご連絡ください。メールアドレスはsciencelabo2011@gmai.comです。


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